どーも。
10年くらい前にオーディオオタクになりかけて色々考え直してやめたたろたろファイヤーです。
いやぁオーディオ沼は怖いですよー。
電源変えて音が変わるだとか電圧がどうだとかオカルトの世界です。
ただケーブル類での音質の変化ってのは割とハッキリと感じやすいんじゃないかと思います。
とはいえ焼肉で言うカルビとロースの違いほどは顕著じゃないですけどね。
神戸牛と松坂牛の違いくらいは感じる事ができるかと思います。
さて前置きは置いといて、僕は8年前くらいにAmebaブログで自作ケーブルの作り方について記事にした事があります。
今見ると結構恥ずかしい内容ですが、これがまたなかなかアクセスがあって、思った以上の人がこの記事を参考にケーブルを製作されたようで、とても嬉しかったのを覚えています。
と言う事であれから8年も経ったので最新版という事で今回も自作ケーブルの作り方についてお伝えできればと思って筆を取っている次第であります。
今回も楽器用ケーブルとして最もよく使われる機会が多いであろう「アンバランスフォンケーブル」の自作をやっていきたいと思います。
YouTubeにも動画をアップしているのでよかったら合わせてご覧ください。
楽器用ケーブルの種類
主に楽器用で使われているケーブルは
- バランス接続 or アンバランス接続
- コネクタの種類
この2つで決まります。
バランスXLRケーブル(バランス接続でXLRコネクタを使ったもの)とか、アンバランスフォンケーブル(アンバランス接続でフォンコネクタを使ったもの)とか、そんな感じ。
バランスとアンバランスとは
細かいことを説明すると記事ひとつ分になっちゃうのでここではめちゃくちゃ大雑把に説明しますが、バランスケーブルはステレオ信号の送受信もできるケーブルです。
あくまでステレオ信号の送受信「も」なのでもちろんモノラルのバランスケーブルもあります。(マイクケーブルなど)
アンバランスケーブルはモノラル信号の送受信しかできません。
これだけでは説明として不十分すぎますが、とりあえずはそのくらいの認識でいいんじゃないかと僕は思っています。
こんなこと言ってるとガチな人から怒られちゃいそうなので、気になる人は調べてみてください。
僕も機会があれば改めて記事にするかもです。
コネクタの種類
1がXLRコネクタ(キャノンコネクタ)、2がTRSフォンコネクタ、3がTSフォンコネクタです。
1と2はバランス接続用、3はアンバランス接続用です。
他にもRCAコネクタなんかもあるし、フォンコネクタにもミニプラグやミニミニ(?)なんかもあります。
ケーブルの種類
ついでにケーブルの種類も紹介。
見づらくて申し訳ないが4が1芯シールド、5が4芯シールド、6が2芯シールドです。
読んで字の如く中に入っているケーブルが、内側をぐるっと囲っているもの(グランド)以外に何芯あるかということです。
グランドはアースの役割で使われる線ですね。
要は1芯シールドは1芯+グランドで合計2種類、2芯シールドは2芯+グランドで合計3種類の線が入っているということです。
3種類の線は
- HOT(ホット) or Tip(チップ)
- COLD(コールド) or Ring(リング)
- GND(グランド) or Sleeve(スリーブ)
として使われる事が多いので名前くらいは覚えておきたいところです。
1芯シールドはアンバランスケーブル用、バランスケーブルは3点(HOT、COLD、GND)で接続する必要があるので2芯以上のケーブルを使うことになります。
ちょっとややこしいですね。
2芯以上のケーブルでアンバランスケーブルを作ることもできます。
実際今回は2芯ケーブルでアンバランスケーブルを作っていきます。
今回作るケーブル
今回は楽器用で一番よく使われるアンバランスフォンケーブルを製作していきます。
7のSWITCHCRAFT ( スイッチクラフト )の280というTSフォンコネクタとMOGAMI(モガミ)の2549という2芯シールドを8のようなイメージでつなげていきます。
ケーブル自作で必要なもの
何度も言いますがケーブルの説明から始めると長くなってしまうので、そろそろ実際に作っていこうと思いますが、まず自作するにあたって必要なものを紹介していきます。
コネクタとシールド以外に以下のものが必要です。
9 はんだこて台(あった方が良い)
これはあったほうがいいです。スポンジに水を染み込ませて使います。
熱くなったはんだごてを置いたり、はんだごての先をきれいにするのに使います。
10 ハンダ(必須)
このKester44(ケスター44)というハンダがオーディオではよく使われていますので特にこだわりがなければこれを使ったほうがいいです。
11はんだ吸取線(あれば便利)
これもまああるに越したことはないといった感じですかね。
つけすぎてしまった余分なハンダをこれで吸い取ったり、失敗したときにいったんハンダを全部取り払うために使います。
12熱収縮チューブ(お好みで)
これも使う使わないはどちらでもいいですが、僕は気休め程度でもケーブルの強度を上げたいのと、見た目がかっこよくなるので使います。笑
13BEHRINGER CT100/ベリンガーCT100(あった方が良い)
ケーブルチェッカーです。これも必須というわけではないですがあると便利です。
14ワイヤーストリッパー(あれば便利)
ケーブルの被膜を剥くのに便利です。
便利だけどたまに余計な銅線を切ってしまったりするので使うときは気をつけたい。
15 ラジオペンチ(あった方が良い)
先が細くなっているので使いやすいです。
はとめを締めたり、熱くなったところを触るのに使います。
16 ハンダごて(必須)
メーカー等はなんでもいいですがワット数で選ぶのがいいかと思います。
40wくらいのものがいいです。
おすすめはこれです。
17 マスク(必須)
ハンダは人体によくないので、なるべく煙を吸わないようにしましょう。
ケーブル製作手順
さていよいよ実際にやっていきましょうー!
今回使うSWITCHCRAFT 280というTSフォンプラグですが、18のように分解します。
そしたらまず使うケーブル(今回はMOGAMI 2549)に19のように先に通しちゃいます。
先にパーツを通しておかないと、はんだ付けした後からは通せないので注意が必要です。
熱収縮チューブも使うのであれば通しちゃいましょう。
次にケーブルの被膜を剥いていきます。
まず20のように外側の皮膜を、中の銅線をなるべく傷つけないように気をつけながら取っていきます。
ワイヤーストリッパーかニッパーを使って2cmくらい剥きます。
21のようにきれいに取れます。
(皮膜を剥くときは中の銅線を傷つけないように注意しますが、うっかり1、2本くらい切ってしまっても大丈夫ではあります。)
出てきた銅線がGNDになるんですが、これをめくると22のようにケーブルが出てきます。
MOGAMI 2549は2芯シールドなんですが、GND以外に4本の線が入っています。(23)
銅線が入っている青い線と白い線以外に銅線の入っていない白いプラスチックの線(介材)が2本入っています。
この2本の線はいらないので24のように根本から切っちゃいます。
このいらない2本の線は使うケーブルによっては入っていないこともあるのでその場合はそのままでいいです。
そして25の状態になります。
銅線の入った青い線、銅線の入った白い線、その周りを囲っていた銅線の3種類です。
1芯シールドを使う場合(MOGAMI 2524など)は真ん中の銅線が入った線1本と周りの銅線で合計2種類になります。
また、4芯シールドを使う場合は、銅線の入った青い線(他の色の場合もある)が2本と、銅線の入った白い線が2本と、その周りを囲っていた銅線で合計5種類になります。
何芯シールドを使う場合もあとで同じ形にするので大丈夫です。
HOTとCOLDはどちらでもいいんですが、よく「有色ホットの法則」とか言われているので、基本的には色のついているほう(この場合は青い線)がHOTだと覚えておきましょう。(23)
26のように青い線と白い線と周りの銅線に分かれたわけですが、まず白い銅線の被膜を根元の方まで剥きます。(27)
次に青い方の銅線の皮膜を1cmくらい剥きます。(28)
そして白い線の銅線と周りの銅線を一緒にしてねじってまとめます。
この時青い線の銅線もねじっておきましょう。(29)
この場合は2芯シールドのHOT側を残して、COLD側とGNDを一緒にしたということです。
この時点でCOLDという概念は無くなるのでHOTとGNDの2本になったと考えてOKです。
1芯シールドを使う場合は一緒にする必要がないので、真ん中の銅線の皮膜を1cm剥がしたらねじってまとめて、周りの銅線もねじってまとめます。
4芯シールドを使う場合は、青い線(有色)2本の皮膜を1cmずつ剥いて2本の銅線を一緒にしてまとめて、白い線2本の皮膜を根元まで剥いて2本の銅線と周りの銅線を一緒にしてまとめます。
何芯シールドを使った場合も29のような2本の線になります。
ここから先は何芯シールドの場合も作り方は同じです。
ここから2本の銅線を30のように接続していくのですが、ケーブルのHOT側とプラグのHOT側、ケーブルのGNDとプラグのGNDを向きを間違えずに接続します。
画像の向きでOKです。
画像の赤い○の付いている4箇所に仮ハンダをしていきます。
仮ハンダというのは2つの接触面にあらかじめハンダを流し込んでおくことです。
あらかじめハンダを流し込んでおくことで後から2つの接触面をくっつけてはんだごてを押し当てるだけで接続する事ができます。
31のように何かにプラグを固定して接触面にハンダを流し込んでいきます。
32のように2箇所にハンダが載っている状態でOK。
次に33のようにケーブル側の銅線にもハンダを流し込みます。
34のように銅線がほぼハンダの銀色になるくらいしっかり流しこめばOK。
次に仮ハンダしたところ同士をはんだごてで押さえつけて接続します。(35)
お互いの仮ハンダを溶かして繋げる感じです。
足りなければちょっとハンダを足してやりましょう。
繋がったら36のように根元のハトメを締めて、ハンダ付けは終わりです。
37のようになりました。
あらかじめ通しておいたパーツと熱収縮チューブを戻していきます。(38)
熱収縮チューブを使う場合は39の位置くらいまで持ってきて40のように熱を加えてチューブを収縮させていきます。
ヒートガンなどあれば一番いいですが、ない場合はライターで炙ったりはんだごてでなぞったりします。
41くらい熱収縮チューブが収縮したら通しておいたキャップパーツを元の位置に戻ます。(42)
43のようにしっかりとキャップを締めます。
44 完成!!
という事でケーブルの反対側も同じようにして完成です!
まとめ
どうでしょうか!
結構簡単にできちゃいます!
自作ケーブルのメリットとして、市販のものと同じ材料を使っても市販のものより安く作れますし、市販のものにはないような細かい単位で好みの長さのケーブルを作る事ができます。
あとは好みのケーブルと好みのプラグでこだわりが出せたりします。
愛着が湧くというのも大きいですね。
YouTubeに動画もアップしているのでよかったら合わせてご覧ください。
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